愛林館田援計画(でんえんプロジェクト)
第1回 グリーンセミナー 「棚田のがっこう」     

2003年5月31日(土)〜6月1日(日)


 ご報告

5/31(土)6/1(日)に予定通り開催しました。台風が心配でしたが、あまり影響がありませんでした。

最も遠くは東京からのM氏を含め、参加者は15人(ただし3人は1日のみ)でした。

雨が少し残っていたので、予定を変更してまず前川教授(広島県立大)にお話をしていただきました。寒川の棚田について、一枚ずつ歩いて水の取り入れ口と農業機械の入り口を調べ、高さの差を計り、それを航空写真に記入していくという作業をなさっています。そういうフィールドワークを踏まえて、水路を引き、傾斜のある地形を削り石を積んで水田を作り、水を貯めて稲を育てるということをしていることの意味を改めて教えて下さいました。

続いて、車で寒川水源まで上り、歩いて下りました。前川教授の案内です。要所要所で立ち止まり、フィールドワークの途中に気づいた水路の立体交差とか、棚田の山際ににじみ出る水の排水溝とかの実物を見て歩きました。曇りではありますが、田植え直後の水田には山や空が映り、なかなか美しい景色を堪能できました。寒川集落の人々が植えたあじさいや菖蒲も花が咲き始めていました。

愛林館に着き、入浴を済ませて夕食。今回は炭焼きバーベキューです。メインはさんまとほたて、という水俣産でない海産物になってしまいましたが、岱明町からご参加のトマト農家兼たこ掘り名人Yさんの大量の差し入れ(たこ、あさり、しゃく、トマト)があり、豪華になりました。屋外で始めたら、雨が降って屋根の下に移動。移動したとたんに雨がやむという事態もありましたが。自家製の特製甘酒もまずまずのできでしたし、エビスの生ビール(機械の使い方がわからず、飲めないかと思いました)、日本一旨い芋焼酎「亀五郎」、黒糖焼酎「長雲」も好評でした。

夜の宴会は延々と続き、一部有志は暗い部屋でお香を焚いてジャンベをたたいたりギターを弾いたりというおまけもありました。

にぎやかな食事 徳野教授の講義

翌日は、徳野教授(熊本大)の講義です。人口が減少する時代にはそれなりの政策や制度が必要なこと、棚田保全も保全一辺倒というわけにはいかないことなどを、やはり積み重ねたフィールドワーク(一昨年に詳しい調査をしてもらいました)に基づいて話して下さいました。

最後に、参加者にカードを配って、「私の棚田保全策」の考えを書いてもらいました。一日の講義と実地を見た後だけに、それほど絵空事でもなく、でも普段私が考えている枠に捕われない考えがたくさん出ました。

私が以前から考えてまだ実行できない「長さ3kmの世界一のそうめん流し」というのもあるのですが、イベントとしては「棚田美人コンテスト(ただし婆ちゃんを中心に)」とか、「棚田どじょうすくい大会」などが出ました。他には、素人に労働力として働いてもらう制度を作るとか、小規模な基盤整備・農道整備といった現実的な提案、大学のインターン制度の活用などもありました。大学との共同事業は、近日中に実現しそうです。

私が一番実行したいと思ったのは、「久木野出身者へ郷愁呼び起こし作戦」です。まずは、地元の人にマチに住む親類に手紙を書いてもらうことから始め、農地の委託をもっと進めたりするという狙い。郷愁から棚田保全や森林の管理へと思いが深まるところまで行けば大成功ですね。

今回のイベントは、初めての試みですが、これまで棚田については関心と理解を深めてもらおうという、いわば裾野を広げる努力をしてきました。よそでやっている「棚田オーナー制度」や、愛林館の「棚田音楽祭」「彼岸花鑑賞会」「大豆耕作団」などですね。おかげで、「棚田は景色が良いが耕作には苦労する」ということを理解する人間は相当増えました。そこで、私としては、裾野よりも頂上を高くする方向の研修をしようと考えたのです。

講師にも恵まれ、また地元で実際に棚田を耕している林業家吉井氏のコメントも重みがあって、狙い通りに頂上は高まったのではないかと思います。参加者の皆さん同士の交流も活発のようでした。主催者としては、大変楽しい2日間でした。寝不足ではありますが、達成感に溢れております。また、深夜まで皿洗いなどを頑張ってくれた助手のOさんもよく盛り上げてくれました。

次回のグリーンセミナーは「森のがっこう」。8/9−10に、林業家吉井氏を講師として招いて行います。土曜は山で下草刈を1時間ほど体験し、川で泳ぎ、寒川水源でそうめん流しを食べ、日曜は冷房の効いた室内でお勉強です。よろしければご参加下さい。





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