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愛林館田援計画(でんえんプロジェクト) |
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第3回 グリーンセミナー 「炭のがっこう」 |
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2003年9月20日(土)〜21日(日)
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ご報告 |
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第3回グリーンセミナー「炭のがっこう」は、台風が心配でしたが無事終了しました。
今回は、溝口さん(環太平洋浄化300年計画総裁)の指導で、まずレンガで炭窯を作りました。一つは溝口さんが作って見せて、もう一つは参加者が作りました。焼いた材料は、一つは枯れ竹、もう一つは竹の箸です。
さらに、オイル缶も後で付け加えました。
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レンガで炭窯を作りました |
枯れ竹を割って炭窯へ |
枯れ竹は割って横に並べます。空気が流れやすいように、焚き口から煙突の方向へと並べます。箸は稲わらで束ねて立てて並べました。また、せっかくの機会なので、近くに咲いていた花(彼岸花、コスモス)やまつぼっくり、にがうり、ししとう、それに近くに落ちていたモグラの死体も缶に入れて焼いてみました。
一方、同時並行で薫製も作りました。前回「森のがっこう」では胴体が落下して失敗したので、今回は控えめに小さいニジマスを網の上に置くことにしました。また、鶏はあらかじめ茹でて(沸騰しない温度で1時間ほど)から薫製にしました。例によって、火のついた炭と枯れた桜の枝をドラム缶の中に置いておくだけという、非常に楽な方法です。缶の中はちょと熱くなるので、ローストと燻煙の中間くらいでしょうか。
簡易炭窯はレンガを積み、竹を入れた後で上から火を付け、トタン板で蓋をしますが、その上に保温材として土をかぶせます。今回は、土の中に唐芋と里芋を入れました。芋は濡れた新聞紙とアルミホイルでくるみます。数時間後にはすっかり食べ頃になっていました。
トタン板の上の土を除けて金網を置けば、炭を焼きながらバーベキューも同時並行で楽しむことができます。他にもお酒に燗を付けたりお湯を湧かしてお湯割りにしたりすれば、「炭ができあがる前に人間ができあがってしまう」という溝口さんお決まりのギャグ(これを言わないと炭焼き教室は成立しないのです。)もしっかり出ました。
今回はよみうりテレビ「ウェイク・アップ」(土曜朝8時30分より)の取材陣も来ていて、テレビに映りたくない参加者を避けながら撮影していました。放送は10/18(土)だそうです。
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「ウエークアップ」のTV取材がありました。 |
薫製大成功! |
3時すぎに薫製を取り出し、4時半に炭窯の火を消して6時半に窯から炭を出しました。
竹の炭はもちろんきれいに焼けました。箸は、束ねた稲わらもきれいに炭になっていました。変わり炭は、まつぼっくりはもちろんきれに焼け(乾燥した堅いものは焼きやすいのです)、にがうりやししとうは相当縮んではいましたが、原型をとどめていました。生の野菜は水分が多いので、蒸発すると縮むのです。モグラは残念ながらくちばしと歯しかわかりませんでした。しかし、参加者の皆さんには動物も炭になるということは強い印象を残したようです。
夕食は炭焼きバーベキュー。今回はサンマが主で、イカゲソ、焼き鳥、ホタテ、野菜を焼きました。炭焼きのサンマはやはりおいしいです。焼酎は、私が日本一と推薦する亀五郎、その弟分の五郎、黒糖焼酎の長雲、それに数週間前に大分のM氏が持参してくれた耶馬美人(大分産の米焼酎、熟成感があってうまくて入手困難銘柄)などを楽しみました。
翌日は座学です。最初に溝口さんがこれまでの環太平洋浄化300年計画の活動をスライドで紹介。私や仲間と半分は冗談で言いだした「環太平洋」ですが、溝口さんの行動力で、オーストラリア2カ所、バリ島、タイ、中国、コスタリカという国々で炭焼きを行い、十分に「環太平洋」と言えるでしょう。さらにインドにも行っていますから、あとは大西洋沿岸で炭焼きをすれば世界の三つの海をとりあえずそろえたことになります。
ビルマの実竹(じっちく、中身の詰まった竹)の炭や備長炭、竹の笛を炭に焼いたものなどは実物を見せてくれました。
続いては加茂さんの講義「炭・水環境・森林保全」です。日本では、人間が手を入れ続けて健全に保たれている森林や農地がたくさんあるわけで、それを使うためには消費者としても日本のものを使うような努力が必要ということが私には印象に残りました。例えば、炭の価格は私たちが焼けば1kgで250円くらいは必要ですが、ホームセンターの安い輸入品は5kg300円! でも、安ければいいということで日本の炭を使わないのであれば、日本の木を利用する炭焼きは産業としては成立しなくなります。山村に人が住む手段がまた一つ減ってしまうわけです。
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炭活用のアイデアがたくさん |
加茂千里さんの講義 |
最後に、溝口さんをダシにして「溝口さんが炭焼きとして環境を保全し、人にも指導をしているのに今ひとつリッチでないので、もっと儲かる方法はないのか?」というアイディアを出し合いました。もちろん、この場合テーマは溝口さん個人ではなくて、環境に良い技術を広める活動が経済的に自立する方法、周囲からは経済的に支援する方法を考えたわけですが。
楽しい意見はたくさん出ました。家元のように免状を発行してそれで儲ける、無限に儲ける「ネ炭講」(ねずみ講ですね)、何かメジャーな賞を取って箔を付ける(結構有名な賞の推薦委員がご参加でした)などなど。私は「炭で字を人生訓を色紙に書いて売る(木のわりばしの炭は字や絵が書けます)」という意見を出しました。
現実的な意見では、「炭素税を早く導入し、炭をやいて炭素を固定した人にはお金を支払う」というもの。農地や森林の環境面に着目して、農業や林業をすること自体に補助金がわずかながら出ていますが、同様のことが炭素固定にも適用されるべきでありましょう。「大きなペット市場を狙ってのペット用脱臭えさの開発」などもありました。家の床下に炭を備蓄すると、家の寿命も長くなるし、いざというときに燃料にも使えるので「床下に炭を入れることをもっと促進しよう」という意見はたくさん出ました。
こういった炭利用促進キャンペーンのコピーとしては「炭といつまでも」というすばらしいアイディアが出ました。
このように楽しい雰囲気で終了しました。次回はちょっと間があきますが、来年の1/10−11 に「マイナスイメージからのまちづくり」と題して吉井正澄さん(林業家・前水俣市長)のお話を聞きます。夕食は豆腐、こんにゃく、うどんを自分で作って合鴨鍋を食べましょう。生きている合鴨を解体するところから始めるよう検討中です。
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