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棚田のあかりご報告

2009年5月16日(土)



5/16の棚田のあかりは成功のうちに終了しました。大勢のボランティアの皆さんのご協力ありがとうございました。もちろん、厳しい条件の棚田を美しく保全している寒川の皆さんの努力には本当に頭が下がる思い出、成功は美しい棚田があってのことです。

さて、今回の準備は5/6に始まりました。竹を伐採し、たいまつの高さに切って、わらを詰めて、バイオディーゼルオイルを少し入れます。寒川の皆さんは籾まきなどでお忙しいところを公役(くやく、集落全世帯が出る義務作業)として参加していただき、愛林館からは研修生Mさん、ボランティアK氏、O氏夫妻、熊大生Oさんが参加しました。竹を切る機械が1台しかないので、ちょっと人数が余る場面もありましたが、午後3時には作業を完了しました。来年は機械2台で竹を切って効率を上げたいところです。

たいまつ作りに集まった寒川の方々 竹をたいまつの長さに切る

竹筒に藁を詰め 油を注ぐ

その後、寒川の皆さんはご自分の棚田で代を開けて(水を入れて田を耕して水を貯めて)、一部はよその田の手伝いもして、道沿いの田には水が貯まりました。愛林館で預かっている棚田(大豆栽培中ですが、今年は休閑)も研修生Mさんが草刈りをしました。

あかりボランティアは5/14(木)の夕方から集まり始めました。第1回の手探りの開催時から常連のK氏、働くアウトドアや石垣積み教室で助手を務めたH氏です。5/15(金)は、竹を焼いたり草を焼いたりして掃除し、午後はちょっと愛林館の仕事(冷凍庫の運搬)を手伝ってもらい、その後国道268号から久木野に入る交差点に看板を立てました。その夕方には、水俣に1週間ほど研修に来ていたFさん、与論島からはるばる来たMさん、研修生Mさんで、タオルを裂いたりお習字をしたり、内職をしながら、明日の天気が良くなるように祈念する神聖なる儀式(儀式ですから焼酎を飲みます)を行いました。

水が入った寒川棚田 コンテナのたいまつを運ぶ

さて、棚田のあかり当日の5/16(土)。降水確率は毎日下がり続け、ついに10%の予想となりひとまずは安心。8時半に熊大生を新水俣に迎えました。市役所農林課からも早朝から来てくれました。9時に愛林館に戻ると、他のあかりボランティアが続々と集まり、かなりの人数になりました。最も遠い方は与論島と兵庫県ですが、福岡市、植木町、熊本市、水俣市内からもいっぱい来てくれて嬉しい限りです。寒川の上の方から4mくらいの間隔でたいまつを置いていきます。コンクリートのあぜは歩けますが、泥を塗ったところは田の中を歩くようにとボランティアの皆さんには厳しく言ってあります。慣れない泥の中で、疲れたでしょうね。

棚田の畦にたいまつを置く バイオディーゼルをボトルに分ける

置いたたいまつにはバイオディーゼルオイルを差していきます。田中商店で製造し、専務さん自らが運んでくれたもので、今回は全体で960リットル用意しました。材料はもちろん廃食油。バイオディーゼルオイルを棚田に配るところに時間がかかり、ちょっと作業が停滞しました。来年はドラム缶からくみ上げるポンプの数を増やす必要がありそうです。雨が心配だったので、ビニール袋をたいまつにかぶせようかと考えましたが、天気予報(6時間後までの雨の予想図)によれば降りそうにないので、袋はパス。午前中で油も入れ終わりました。たいまつは、ちょっと物足りないところがあったので、さらに竹を伐採して100本くらい増やしました。

点火用たいまつ作り 竹筒に油を注ぐ

昼食は愛林館でカレーですが、あかりボランティアは何と55人もいました。これに寒川の皆さんが10人ほどですから、作業ははかどりました。午後からは道端用の低いたいまつの芯を作り、点火用のたいまつを作り、テントを張りました。点火用のたいまつは木にぼろを巻いて作りますが、愛林館周辺の木の枝を切って使いました。大学山横の水源の森から伐採せずにすみました。午後の作業を終えると、しばらく休憩。この頃、台所では愛林館スタッフと料理ボランティアがボランティアの夕食のおにぎり、商品の赤飯やまんじゅう、打ち上げ用のおでんなどを作っていました。

3時頃から、三脚を持った皆さんが場所取りを始めました。人の出足はまずまずです。お迎えの車も4台がフル回転を始めました。寒川上部にはテントを2つ張り、一つはお店、一つは寄付受付所と本部にしました。5時半頃にお店を開店。もう少し早めにした方が良かったかもしれません。

Vientoのミニコンサート 火打ち石で点火

6時から、急遽決まったVientoのお二人によるミニコンサート。棚田をバックにしたストリートライブでしたが、風景に合ったすばらしい音楽でした。6時半からは、いよいよ点火式です。「棚田を開いてくれた先輩方に、今でもやっとっとですばい、という報告をするために火を灯すことにしました」と寒川さんがご挨拶。続いて火打ち石で着火という予定でしたが、うまく火花が飛ばずにライター(これも火打ち石ではあります)で点火になりました。バイオディーゼルオイルの炎は大きく上がり、あかりボランティアがたいまつを持って次々と点火する様子も大変美しかったです。

たいまつに点火

今年は風が強くて、たくさん消えるのではと心配されましたが、あかりボランティアがよく面倒を見ていて、火の数はあまり減りませんでした。下の方の棚田にも十分に配置したので、かなりの火があるように感じられました。実昨年よりもたいまつの数は少なかったのですが、置き方で変わるものだなと思いました。

風の影響としては、水面に波が立ったおかげで、水面に映る火が長く見えるという面白い効果がありました。

人出はかなりあって、駐車場では送迎車を待つ列がかなり長くなりました。長いことお待たせした方も多かったはずで、申し訳なく思っております。来年は、あかりの始まる地点までの送迎にして、残りは歩いていただくようにしようかと考えています。8時を過ぎても、まだおいでになるお客さんがありました。駐車場係の市役所職員の皆さんは、朝早くから遅くまで、しっかり働いてくれました。

たくさんの寄付を頂きました 研修生Mさん

今年は、小国のEさんにヒントをもらい、500円以上の寄付をいただいた方はお名前を貼り出すという方式にしました。研修生Mさんが得意の書道の腕を振るいます。これが功を奏したか、今年はいっぱい寄付が集まり、8万円を越えました。あかりボランティアとして朝から働いてくれた熊大生も面白がって寄付をくれたりしました。

棚田のあかり

7時半頃からは、帰りの車を待つ列ができてきたので、車を2台増やして送迎しました。それでもなかなか列は短くならず、ここでもお待たせする人が多かっただろうなと反省しております。

片付けを終え、9時半から寒川水源亭で打ち上げです。11時には水源亭を辞し、愛林館へ戻りました。2次会は深夜まで、うまい酒をたっぷり飲みました。

寒川水源亭で打ち上げ 翌日の片付け終了

翌日は9時から片付けを開始。竹は炭窯へ運び、油を含んだわらは燃やしました。コンテナを洗い、12時にはほぼ終了。同時に雨が降り始めましたから、今年の天気は奇跡的に良かったと言うべきでしょう。

今回もイベントは大成功でした。働き者のボランティア、気の利くボランティアに囲まれ、私は幸せだなーと実感しております。                                 (写真:高平雅由 沢畑幸代)