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愛林館田援計画(でんえんプロジェクト)
第7回 グリーンセミナー 「写真のがっこう」ご報告     

2004年9月18日(土)〜19日(日)


 

愛林館 田援計画(でんえんプロジェクト)「第7回グリーンセミナー 写真のがっこう」は、予定通り9/18−19に行いました。

今回は、これまでになく参加者の皆さんの平均年齢が高くなりました。私より若い方はお一人だけ、ほとんどの方が60歳以上です。

最初に棚田の持つ意味や、写真を撮るに当たっての注意などを沢畑よりご説明。泥を塗ったあぜを踏みつぶすことことは、知らなければ何の悪意もなく行ってしまうかも知れませんので、棚田の常識を中心にお話をしました。

長野氏の講義 雨の中寒川の棚田を歩く

次に、写真家の長野良市さんから、写真の基礎のご説明。絞り、シャッタースピード、フィルム感度といったお話。私はあまりカメラと接していませんが、基本を理解できました。機械は発達したけれど、何かを写そうという意志が必要なことは今も昔も変わりはないこと、よくわかりました。

それから、寒川地区まで車で上がり、歩いて下ります。写真を撮ろうと思ったのですが、雨が結構激しく降ってきたので、しばらくは「ここでこういう構図で撮るとおもしろい」といった長野さんのお話を傘をさしながら聞くかたちになりました。やがて雨も小降りになったので、皆さんも写真を取り始めました。雨なので作業中の方が少なく、人間のいない風景ばかりになったのは仕方ありません。

台風の影響で稲が倒れていました 長野氏のお話を聞きながら

愛林館に帰り、取り終えたネガフィルムは早速市街地の平田写真店まで運び、現像してもらいました。無理を聞いてもらい、助かりました。

寒川水源でそうめん流しの夕食後、まず長野さんが最近行ったばかりのチベットの写真を見せてもらいました。かっこいい僧侶の写真が一番印象的ですが、人物を撮る時は目にピントを合わせるという鉄則を教わりました。

次に、長野さんの撮ったデジカメの画像をプロジェクターで大きく映し出して、詳しく説明を聞きました。これまでに何冊か写真の撮り方の本を読んだことはありましたが、ついさっき見た景色を、撮った本人からの説明を聞きながら学ぶのはとてもわかりやすいものでした。長野さんの教え方は大変明快で、目から鱗が落ちた人も多かったようです。現像を終えた写真も早速長野さんに見てもらいました。

撮った写真をすぐに投影して見るなど、一昔前だったらスライド現像所の近くに住んでいる人間しかできなかったことです。ネガの現像も、ずいぶん速くきれいにできるようになりました。この辺りの技術革新は本当にありがたいです。

夜の写真検討会は、エビスビールと焼酎を飲みながらでもありました。芋焼酎は亀五郎がすっかり入手困難になってしまったので、一刻者(いっこもん)という芋100%を準備しました。麹も蒸し米でなく蒸し芋で作ったので、米の匂いが一切しない、芋好きにはこたえられないものです。

さて、翌日は朝6時起床。車で再度寒川集落に上がり、下りながら写真を撮りました。寒川集落の近くでは空に虹が見えるというすばらしいおまけもつきました。棚田の稲は、先日の台風で倒れたものが多く、彼岸花は猛暑のせいかいつもより5日ほど早く満開を迎えて、いつもとわずかに違う景色ではありましたが、相手は自然ですから仕方ありません。この朝も、天気は降ったり止んだりで、さわやかな朝の光が横から当たる棚田、というわけには行きませんでした。

早朝の虹 朝の棚田撮影

9時頃愛林館に戻って朝食。皆さんとてもお腹がすいたと見えて、余るつもりで炊いたご飯がなくなりました。朝食後は、再度、撮ったばかりのデジカメ写真をプロジェクターで映して長野さんが解説してくれます。写るのだろうかと疑問だった虹も、特に何もせずにしっかりと見えました。

最後に、美しい写真をいつまでも撮れるための棚田の景観保全策を考えてみました。いくつかおもしろいアイディアがありましたが、私が気に入ったのは、「目障りなガードレールの色塗りボランティア募集」というものです。一年中同じ色ではなくて、季節ごとに色を変えると面白いですね。冬は石垣に似せて灰色、田植えから9月中旬までは緑、その後2週間だけ黄色、といった配色ではどうでしょう。もちろんガードレールの外側だけでいいのですが。来年はやってみます。写真展もぜひ開催しようと思いました。

棚田を下りながら 棚田の保全策を考えました

今回長野さんが教えてくれたことは写真の技術だけではありません。自分の好みはもちろん主張するけれど、被写体との間柄ももちろん良好に保たねばならないこともよくわかりました。

さらに、棚田はただ眺めているだけでは、将来がちょっと心配でもあります。そういったことを、参加者の皆さんには考えていただけるきっかけには十分になったことと確信しております。


さて、次回以降は下の通りです。みなさまのご参加をお待ちしております。

第8回 11/6−7 料理のがっこう
客員講師 池部美恵子(料理研究家)
・アウトドアクッキングを身につけましょう。生きた烏骨鶏をつぶして、タンドーリチキン、内臓料理などをします。他にたき火バウムクーヘン、たき火パン、燻製などを作ります。
・夕食には、それを食べます。

第9回 12/4−5 炭のがっこう
客員講師 溝口秀士(炭焼き)
・レンガで簡単な炭窯をつくり、竹炭をやきます。
・夕食は、合鴨鍋。炭粉入りのうどんも打ってみましょう。薫製も作ります。

第10回 1月中旬 再生のがっこう
客員講師 吉井正澄(林業家・前水俣市長)
・生きた合鴨を用意します。野菜を畑から取り、豆腐、こんにゃく、うどんを自分で作って合鴨鍋の夕食!



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