さて、今回の大豆耕作団の経過は以下のようでした。
1.愛林館サポーターズ、草むらを刈り払う
99年の夏から、時々愛林館に来て農作業アルバイトをしてくれるサポーターズが自然発生し、長年使っていなかった棚田の草むら(2m近いものもありました)を刈り払ってくれました。前年の大豆畑と合わせ、30a近くの草むらが消えました。
2.菜種をまく
99年10月には菜種をまきました。以前、サポーターズとして来たY君(旅行中にネパールで事故で亡くなりました)がまいた種の子孫です。
3.菜の花料理教室
「種まきから胃袋までシリーズ」で、菜種をまいて、菜の花の料理教室を開きました。講師はテレビタミンでおなじみの池部美恵子さんです。食用の菜の花でなく、あぶらなの花でも十分においしいことがわかりました。
4.菜種の収穫とてんぷら教室
菜の花は春先に見事な景色を作り出しました。花の後は菜種を収穫し、油を搾りました。2000年3月から久木野に滞在して農作業を手伝っているO君、臨時職員のAさんが農作業は主に担当してくれました。その油で、野草てんぷら教室をひらき、よもぎ、どくだみ、つゆくさなどの野草と、畑のにら、唐芋の葉、しそなどを揚げて食べました。何とも言えずおいしかったです。
5.種まき
福岡市の古賀さん、坪根さん、鹿児島県栗野町の増田さん親子の参加を得て、7/16に種をまきました。その後、鳥に食われないように、木酢液を畑全面に散布しました。これは効き目があったようで、食害は非常に少なくてすみました。
6.土寄せ
昨年の失敗に懲りて、今年は機械作業で土寄せを適期に行うつもりだったのですが、働くアウトドア(愛林館で植林した森を育てる作業をする合宿)などでやはり1回は抜けてしまいました。それでも、2回の土寄せを終えることができました。
7.フェロモントラップと猪よけ柵
8/30に、ヨトウムシのフェロモントラップ(親のガをつかまえます)を仕掛けました。この時に目についた、ヨトウムシの幼虫の固まった葉を取りました。また、9/6には栗野町の増田さん親子、水俣市内の田畑さん夫妻が参加して、猪よけの針金の柵を張りました。猪の力ならばこの程度の柵を壊すのは簡単なのですが、「人間が何かをした」ということに対して猪が警戒するそうです。
この柵は今年もよく機能し、愛林館の畑には猪は来ませんでした。
8.カメムシの被害
普及員の林田氏にはカメムシの害を調査してもらいました。幸いにして、問題になるほどのカメムシはいませんでした。普通の農作業ならば、カメムシには殺虫剤を使うのですが、私たちは極力使いません。そこで、猪柵張りと同時に木酢液を散布して、虫が寄って来ないようにしました。(大豆の花は風で花粉をつけますので、花の時期に虫がいなくても構いません。)どのくらい効いたかはよくわかりませんが、全体にカメムシは少なめでした。昔の人が虫追いのお祭りをした気持ちはよくわかりました。
9.刈り取りと脱穀
前述のように、大豆の成熟期に雨が多く、さやの中で種が病気にかかり紫になりました。熊本県でも全体的にこの病気が多かったそうです。味には関係ありませんので、皆様はどうか気になさいませぬようお願いします。
鹿児島県栗野町の増田さん親子、加治木町の岸野さん、水俣市内の田畑さんなどの参加を得て、11/19に大豆を抜き取り、愛林館の庭に運んで乾燥しました。同日、豆腐教室も開きました。脱穀はしばらく乾燥した後、機械で行いました。このころは雨が多く、思ったように大豆が乾燥せずに困りました。
全体として、非常に安定した収穫のある水稲と違い、大豆は不安定であることを実感させられました。収穫に大きく影響するカメムシに対して有効な手段が見つからないうちは、この不安定さは解消できないような気がします。今後も農薬以外の対策はいろいろと検討してみます。
以上が簡単な概要です。いろいろと不手際もありましたが、これに懲りず今後もお付き合いをいただければ幸いです。農作業時の技術指導、農業機械の借り上げ料、皆様への送料などを考慮しますと、1口4000円では少し不足しましたもので、次回は1口5000円にいたしました。、よろしくご検討いただきますようお願いいたします。どうもありがとうございました。
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